早瀬乱 著 「三年坂 火の夢」
- 2017/02/25
- 16:39
早瀬乱 著 「三年坂 火の夢」



第52回江戸川乱歩賞受賞作です。
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江戸から明治に時代が変わり、それと同時に東京と名を改めた帝都を、何度も大火が襲う。
その帝都から帝国大学を中退した兄が、負傷しつつ帰郷する。
その兄は傷口からの感染によるものか、「三年坂で転んだ」という言葉を遺して死亡。
主人公・実之は、一高受験を口実に上京し、兄の言葉の意味、死亡の原因を解明すべく、東京の「三年坂」を探す。
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ん~・・・
ぶっちゃけ、分かったような分からないようなオハナシでした。
重要な鍵を握りそうな人物が見る「予知夢」などは「オカルト物」を思わせるし、
江戸から明治へと移行する端境期の東京の混乱を描き出した歴史物のようでもあり、、、
話の展開も主人公・実之の視点で進んだり、他のキーマンの視点で進んだり、一定しないため、誰にどう感情移入して読み進めれば良いのか分からず、迷子になったまま読み終わったような印象。
物語としては面白いようにも思いましたが、どうも入り込みきれませんでした。
ただ、物語の背景の描写のお陰で、幕藩体制から明治政府へ体制が一変し、生活の基盤どころか世間の常識そのものが一気にひっくり返った時代、その混乱ぶりを垣間見ることが出来たように思います。。。
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